Blackburn(1990)投影主義とは

Essays in Quasi-Realism

Essays in Quasi-Realism

Blackburn, S. (1990). Just Causes. Essays in Quasi-realism (pp. 198–209). Oxford University Press.

感覚からの論証の本質的な構造はこうである:ある投影的な理論は、道徳的心理学をスケッチする際に、自由に用いることのできるふたつの道具を持っている。インプット側、つまり、主体が倫理的なコミットメントを形成するときに反応する、世界の自然な特徴がある。そして、アウトプット側、つまり、形成されたコミットメントの一種--行為や選択についての態度や圧力--がある。投影主義にとって重要なことは、投影主義という理論が、少なくとも最初は(initially)、道徳的な語彙に左右されることなしで、これらを同定することができることである。投影主義は、(たとえば)正義や義務、価値の知覚であると言うこと抜きに、インプットを特定する*1ことができるのである。そして、アウトプットがただの倫理的な反応という、「私たちが何かを是認する時に私たちの持つ種類の反応」であるだけである、と言うこともなしに、投影主義はアウトプットを特定することができる。これは、それほど最初はであるべきだということを忠告に置いている。なぜなら、厳格さは永続しなければならないということは正しくないからである。私がそう置いたように、もし投影主義が、倫理的な真理と物事の倫理的な特徴の観点から考える権利を獲得することができるなら、その場合、投影主義者がそのシステムの中で働く時には、それらへ反応し倫理的に反応するものとして私たちを語ることが投影主義者にはできるのである*2。投影主義者がこれに等しい何かについての説明を持っていると自分が考えることこそが、実在論に対して何の根拠も与えないのである*3*4

*1:pin down

*2:ここの訳は微妙。"then he can talk of us responding to them and responding ethically."

*3:ここの訳もまだ微妙。"It is just that he thinks he has an explanation of what this amounts to that gives no ground to realism".

*4:p.168.