Luebke(1987)突如現れた用語、「利益相反」

Luebke, Neil R, Conflict Of Interest as a Moral Category, Business & Professional Ethics Journal, 6 (1987), 66–81

... その用語[利益相反]の普及した使用は、曖昧さ(vagueness)と幾分かの多義性(ambiguity)の増加を伴うこととなった。*1

「利益相反」としての用語はかなり最近のものであるため、その使用の間には混乱が予想される。それは、Merriam-Webster Dictionaryの完全版(Unabridged)の第2版(1959)と第3版(1959)にも、また、1962年のFunk & Wagnallの完全版、1971年のOxford English Dictionaryにも現れていない。1971年の完全版のRandom House Dictionary of the English Languageには、1つの見出し語があるが、民間企業の事実的な除外に対して、行政がその用語を使うことを強調している。標準的な法律辞典の間では、それは、1887年の完全版(exhaustive)のAmerican and English Encyclopedia of Lawにも、John Bouvierによる1914年のLaw Dictionary and Concise Encyclopediaにも、1979年までのBlack's Law Dicitionaryにも、現れていない。最後の参照(reference)は、次のような定義を与えている。*2

公共の公務員と信託(fiduciary)との間の関係において、そして、私的利益(private interest)の問題やそれらへの利得(gain)とのそれらの関係性において、その用語は用いられる。ほとんどの司法権(jurisdiciton)における地位によって、さらに、連邦のレベルにおける連邦の地位によっても、それとともにつながった倫理的な問題は、対象とされている。一般的に、公共の公務員が自分で誓約した義務の遂行から、その資格の失格(disqualification)を意味するために用いられる際には、「利益相反」という用語は、公共の利益と、関係する個人の私的で金銭的(pecuniary)な利益との間にある衝突を指示している。

1930年の使用に先行する「利益相反」という用語の使用も、1949年の判決(court decision)に先行するどんな生起も、私は発見することができない。破産後の再組織化において複数の関係者(party)に対する保証金の禁止にかかわる、1949年の彼の決定において、地区判事(District Judge)のJohn Clark Knoxは、関係者の状況を記述するのに用いた。[...]1941年以前の判決においては、「衝突する利益」という用語でさえ使われていなかったようだ。それが確かに現れるときには、「衝突する利害」はクライアントや受託者(trust)に対する信託の義務が、他のクライアントや受託者の義務へのコミットメントによって妥協させられる状況を、通常は示している。実際、二つの用語は同義語であるようだ。「衝突する利益」はより早く現れたものだが、ここ2、30年の間に、「利益相反」がより広く見られる(common)ものとなっている。

*1:p.66

*2:以下全てp.67