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決算書入門
- 作者:木村 直人
- 発売日: 2020/08/07
- メディア: 単行本
- サクッと読める超入門レベルの良書。巻末の練習問題は解いていないけど。
第I章決算書のキホン!
上場企業と非上場企業の違いは決算書作成ルールの違い(上場企業は金融証券取引法などがある)
非上場企業の場合には、上場企業のような厳格な会計ルールではなく、実務上は、法人税法の内容に従って決算書を作成すること(税法基準による決算)が一般的に行なわれています。税法基準の場合、不良資産が放置されてしまうなど、事業の実態が決算書に適切に反映されないこともあるため、注意が必要です。
個別決算と連結決算の違い
第Ⅱ章貸借対照表のキホン!
- 貸借対照表の全体像の見方
のれん
大ざっぱにいえば、「具体的な資産として表現することが難しい超過収益力の源泉」を指します。
買収先の純資産を超えるプレミア分を「のれん」として無形固定資産に計上
日本でも海外でも、のれんは無形固定資産に計上しますが、その後の取扱 いが異なります。日本では、たとえば5年などの期間にわたって少しずつ費用処理、つまり償却を行ないます。
一方で、国際会計基準(lFRS)や米国基準では、のれんの償却は行なわず、当初計上額を据え置きます。しかし、著しく価値が毀損したときにのみ、減損処理(評価減)をしなければなりません。
債務保証等の情報は注記情報でチェック。「注記情報をあわせて読みこなせるようになって、はじめて決算書を十分に使いこなすことができるといえるでしょう」
- 包括利益とは
第Ⅲ章損益計算書のキホン!
第Ⅳ章キャッシュ・フロー計算書のキホン!
- キャッシュは必ずしも現預金を意味せず有価証券が含まれる可能性も。
- 営業利益と営業キャッシュフローがずれる要因は2つ。
- 間接法キャッシュフローのスタートは税引き前当期純利益
- フリーキャッシュフロー=「本業で稼ぎ出した営業キャッシュ・フローから事業維持のために必要な設備投資等の支出を差し引いたキャッシュ・フロー」。
- 使い道は株主還元。さらなる事業拡大のための投資資金も。
- 営業CF+投資CF
- セグメント情報を読み取れ(コラム)
第V章決算書分析のキホン!
- 売上高利益率
- ROA(総資産利益率)=当期純利益/総資産
- 厳密に言えば事業利益で算出(総資産事業利益率)。事業利益は営業利益+受取利息・配当金。
- ROA=事業利益/売上高* 売上高/総資産 とも分解可能
- ROE分解=当期純利益/売上高売上高/総資産総資産/自己資本
- 売上債権回転期間(月)=売上債権残高/月平均売上高
- 棚卸資産回転期間(月)=棚卸資産残高/月平均売上高
- 1人あたり売上高=売上高/従業員数
- 財務の安全性
- 自己資本比率=自己資本/総資本
- キャッシュ・フロー・マージン=営業キャッシュフロー/売上高。売上高に対してどのくらい効率的に営業CFを稼げたか。
- CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)。仕入から販売後の回収までの日数を意味するもので、日数が短いほど、売掛金や在庫といった運転資本の負担は少なく、資金面でみれば効率的。
- CFのその他の指標
- EBITDA(利払前・税引前・減価償却前利益)。減価償却や税制といった国毎に異なる影響を排除。支払利息を考慮外とすることで、企業の資本構成にかかわらず企業全体の評価にも。
第Ⅵ章分析指標のキホン!
IFRS入門
* 正直あまり理解できていない。見返した。- 第1章IFRSの概要
- 第2章IFRSの考え方
- 第3章lFRSの財務諸表
- 第4章収益認識をめぐる規定
- 第5章リースをめぐる規定
- 第6章金融商品をめぐる規定
- 第7章固定資産と減損
- 第8章企業結合と連結財務諸表
- 第9章その他の重要な規定
日本基準とIFRSの財務諸表の違い
日本基準においては、財務諸表本体の表示項目について、ひな形や数値基準等の詳細な規定がありますが、IFRSにおいては、財務諸表本体に表示すべき最低限の項目が規定されているのみであり、日本基準のような詳細な規定はありません。
日本基準の貸借対照表においては流動性配列法(流動性の高い項目から記載する方法)がとられていますが、lFRSの財政状態計算書においては固定性配列法(流動性の低い項目から記載する方法)も同様に認められます。また、日本基準において、繰延税金資産および負債は流動、非流動に分類されますが、lFRSにおいてはすべて非流動に分類されます。*1
日本基準の損益計算書には特別損益の区分がありますが、lFRSの包括利益計算書においては、そのような区分は認められず、したがって経常損益の表示もありません。また、日本基準において、費用項目は機能別(売上原価、販売費および一般管理費等)に分類されますが、lFRSにおいては、機能別に加え、質別(原材料費、人件費、減価償却費等)に分類することも認められます。
減損の徴候に関して
内的要因と外的要因の2種類が存在
外的要因
内的要因
営業損益またはキャッシュ・フローの状況により減損の兆候があると考えられる場合について、日本基準では、それらがおおむね過去2期継続してマイナス(赤字)の場合とされていますが、lFRSでは、それらが当初の予算との比較において著しく悪化している場合とされています。
IFRSでの減損判断は日本基準のそれと比べ、全体として高度な経営判断が必要。
*1:以下強調部は全て私によるもの